カナダといえばメープルシロップ。サトウカエデの樹液を煮詰めただけの天然甘味料で、カナダ東部のケベック州やオンタリオ州で生産されたものが世界シェアの約80%を占めています。



サトウカエデは夏から秋にかけて光合成でデンプンを作り、冬の寒さから根っこを守ります。そのデンプンが糖分になり、樹液に含まれて木の中をめぐり、春の芽吹きのエネルギーになります。



カナダ東部の先住民は、大昔からサトウカエデの樹液を甘味料として利用していました。樹皮に切り込みを入れて流れ出る樹液を集め、丸太をくりぬいて作った器に入れ、そこに焚き火で熱した石を沈めて煮詰めていたそうです。



17世紀にフランスからやってきた入植者たちは、先住民からこの知恵を学び、大きな鉄鍋に樹液を入れて焚き火で煮詰めました。



当時はガラス瓶が少なかったので、シロップではなく、しっかり煮詰めて木型にはめ、メープルシュガーにして保存していました。



今では、サトウカエデが傷まないように、樹齢40年以上、直径20cm以上の木を選んで樹皮に採取口を付け、パイプラインでシュガーシャックと呼ばれる小屋に樹液を集めています。



3〜4月の雪解けの頃、朝晩の寒暖の差で、木がポンプのように膨張と収縮を繰り返し、自然に樹液が流れ始めます。それをゆっくり40分の1に煮詰めて不純物を濾過したのがメープルシロップです。1シーズンに1本の木から取れる樹液は約40〜80リットル。つまり1本の木からメープルシロップが1〜2リットルしかできないのです。



製造工程で熱処理をするため、蜂蜜のようにボツリヌス菌の問題もなく、赤ちゃんやお年寄りも安心して食べれられます

砂糖や蜂蜜などに比べて、カリウムやカルシウム、マンガン、リボフラビン(ビタミンB2)、亜鉛などのミネラルやビタミンが多くて抗酸化作用もあるメープルシロップ。2016年にはアルツハイマー病の予防において優れた効果が期待できると国際的な研究グループが発表しました。

 

メープルシロップの種類は?

メープルシロップには、色や風味、光の透過度により等級がつけられていますが、品質の良し悪しではなく、好みと利用目的によって区別しています。



ライト Light は、3月の春まだ浅いころに採取されたもの。透明度が高く、繊細な味わいで、パンケーキやフレンチトーストにかけてそのまま楽しむのがおすすめ。

アンバー Amber は、3月末のもう少し春めいた頃に採取されたもので、色は琥珀色でメープル独特の風味が美味しく、砂糖やみりんの代わりにも使えます。

ダーク Dark は、4月の春まっただ中に採取されたもの。色が濃く旨味が強く、メープルの風味も強めなので、お菓子作りやソースの隠し味に使うと便利。

ベリーダーク Very Dark は4月末の春の終わりに採取されたもので、かなり個性的な強い風味がします。一般に販売されることは少なく、メープルクッキーの風味付けなど食品加工に用いられます。

スーパーマーケットには、コーンシロップや果糖ぶどう糖液糖、水飴などに香料を加えたメープル風シロップも出回っています。本物のメープルシロップの原材料名には、100%純正メープルシロップ 100% Pure Maple Syrup と書かれているだけ。保存料や添加物は一切入っていません。製品を選ぶときには、必ず確認しましょう。
 

メープル製品はお料理やお土産に最適♪

私がよく買うのはメープルシュガー。コーヒーや紅茶に、砂糖の代わりに入れると美味♪ トーストにバターを塗って、メープルシュガーをサラサラかけてオーブントースターで焼いたら、メープルトーストが手軽に作れます。クッキーを焼く時に、砂糖の半量をメープルシュガーにしたら、自家製メープルクッキーのできあがり。



鶏肉やサーモンの切り身におろしショウガとしょうゆをかけて、メープルシュガーを振りかけてグリルしたら、風味豊かな照り焼きに。筑前煮などの煮物に、砂糖やみりんの代わりに入れると、ほんのりした甘さと美味しそうな照りがつきます。

メープルシュガー大さじ1とぬるま湯大さじ1を混ぜれば元のメープルシロップに戻るので、瓶が重くて割れやすく開封後は冷蔵庫保存が必要なメープルシロップよりもお土産に最適。

バンクーバーで買うなら、ギャスタウンにあるデリス・エラーブル Délices Érable がおすすめ。メープル製品専門店だけあって、やっぱり品揃えが違います。以前は「メープル・ディライツ」の店名で知られていましたが、2016年に本社のあるケベック州のフランス語で社名で統一。モダンなロゴに生まれ変わっています。



一歩入ったら、メープルのあま〜い香りに包まれて幸せな気分に。



ここではいつでもメープル製品の試食が可能。純正メープルシロップやとろ〜りととろけるメープルバターなど、いろいろ試してからショッピングできるのはうれしいですね。



このお店には、メープルクリームクッキーの大箱・小箱があるので、お土産を渡す相手によってサイズが選べます。焼き菓子には酸化しやすい脂肪分が含まれているので、商品の回転がいいお店で買うのが一番。



ばらまき用のお土産にはメープルキャンディーもいいですね。大袋で買うと、かなりお得!



日本語ガイドと一緒ならお買い物も安心楽々です♪

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参照:ケベック・メープル製品生産者協会
Federation of Quebec Maple Syrup Producers (FPAQ)