アールデコ様式の美しいマリンビルディングの1階にJJビーンができたのは2013年の冬。それ以来、この壮麗なオフィスビルのロビーには、いつも誘惑的なコーヒーの香りが漂い、前を通るたびに足が勝手に方向転換して入っていってしまうのです。
コーヒーだけでなく、大きなマフィンやサンドイッチなども全部店内で作るからいつも新鮮。イートインにすると、無料でサラダを添えてくれることも。
バリスタもみんなフレンドリーで、明るい笑顔がとってもいい感じ。カフェ激戦区のオフィス街にありながら、いつも席が埋まっている理由がわかります。
シアトルのスターバックスが国外に初めて店舗を構えたのは1987年。バンクーバーのウォーターフロント駅に今もある小さな店がカナダ第一号店で、今やこの国だけでも1200以上の店舗を構える国際企業です。
バンクーバーの繁華街ロブソン通りとサーロー通りの交差点は、かつてスタバが2軒あったのでダブル・スターバックス・コーナーと呼ばれていたことも。まさに、石を投げればスタバに当たるという勢いでした。
そこに小さいけれど力強く一石を投じたのがジョン・ニート・ジュニア氏。米国資本の巨大コーヒーチェーンから、地元の自家焙煎カフェに、コーヒー好きのバンクーバーっ子の目を向けさせた立役者です。
彼の祖父と父親は1945年から45年間、地元でコーヒー焙煎業を営んでいました。三代目のジョン・ジュニアはコーヒーの有名企業で働いた後、1996年に独立して、グランビルアイランドの一角に小さな立ち飲みコーヒー店を開店。John Junior のニックネームからJJビーンと名付けました。今では息子のジェシーもマリンビルディング店の店長として経営に参加しています。
世界中どこで飲んでも同じような味になるよう均質にブレンドされたコーヒーではなく、産地で異なる特徴的なフレーバーと味に大きく影響する鮮度を重視。焙煎したらすぐ酸化が始まって味が落ちるため、コーヒー農家から直送されたシングルオリジンの生豆を必要に応じた分量だけ毎日焙煎しています。
コーヒー農家と顔の見える関係で公平な取引をし、焙煎量の75%以上はオーガニックのコーヒー豆を採用。カフェインレスのコーヒーは、残留溶剤が心配される従来の方法ではなく、時間や手間がかかるけど上質な味と安全が確保できるスイス・ウォーター方式で精製。
焙煎機から出る煙は熱エネルギーに変換され、再燃焼装置に利用されるので空気を汚しません。フェアでエコで安心して美味しく飲めるとなれば、環境保護やグルメに敏感なバンクーバーの人々に支持される理由がわかります。
バンクーバー周辺に18店舗、トロント周辺に3店舗だけのローカルチェーン。小規模だからこそできることを、ひとつひとつ大切に実行している愛すべき自家焙煎カフェなのです。
カップの大きさは北米ではちょっと小さめで、どちらかといえば日本サイズ。十分飲みきれる大きさです。各支店では定期的に無料の試飲会カッピング Cupping が行われているので、コーヒー好きなら気軽に参加してみてくださいね。
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