カナダ生まれの息子たちが小学生になった頃、おもちゃで遊びながら、どこかで聞いた歌を口ずさんでいました。近寄ってよーく聴いてみると、カナダの国歌 オーカナダ O Canada でした。
カナダの学校には校歌がなく、卒業式などでは代わりに国歌を歌います。アイスホッケーのようなスポーツ大会の試合前にも歌うので、カナダに住んでいれば、国歌は小さな子供でもよく知っている身近な歌なのです。
カナダの国歌は1880年6月24日にフランス語圏ケベック州で愛国歌として初めて歌われ、100年後の1980年7月1日に国歌として制定されました。カナダの公用語は英語とフランス語なので、公的な式典では両方の歌詞を混ぜて歌います。
また、フランス系カナダ人の歌から英語バージョンを作る際に内容が一部変更され、フランス語では性別に中立な歌詞だったのが、英語では True patriot love in all thy sons command「汝の子すべての中に流れる真の愛国心」と書き換えられました。
元来「民」を意味していた sons が息子・男子を想起させるため、性別的に中立な言葉に変更する法案が提出され、長年の議論を経て2018年1月31日に法制化されました。今では、True patriot love in all of us command「我らすべての中に流れる真の愛国心」と歌います。
最近では先住民族に配慮して、先住民が自治しているヌナブト準州のイヌクティトゥット語でも歌われることがあります。上の楽譜の3行目の文字がその歌詞です。
毎年7月1日の建国記念日カナダデー Canada Day には各都市で祝賀イベントがあります。紅白のお祝いカラーを身につけてオーカナダを歌いに行きましょう!
O Canada! Our home and native land!
おお、カナダよ! われらが故郷 われらが祖国!
True patriot love in all of us command.
汝の子すべての中に流れる 真の愛国心
With glowing hearts we see thee rise,
輝ける心をもって 興隆する祖国を見守らん
The True North strong and free!
真の北国 堅固にして自由なり
From far and wide,
遠く広くから
O Canada, we stand on guard for thee.
おお、カナダよ われらは汝を守りゆく
God keep our land
神よ、これからも われらの大地を
glorious and free!
荘厳で自由に保ちたまえ!
O Canada, we stand on guard for thee.
おお、カナダよ われらは汝を守りゆく
O Canada, we stand on guard for thee.
おお、カナダよ われらは汝を守りゆく
(在日本カナダ大使館訳)
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