1889年に最初の橋を架けたキャピラノ吊り橋公園。今では年間80万人が訪れる人気の観光スポットです。



キャピラノ Capilano は、先住民スコーミッシュ族の言葉で美しい川 Kia’palano を意味します。先住民族は約8千年前からこの地で鮭漁をし、木の実を集め、赤杉でトーテムポールを作り、豊かな自然と共存しながら平和に暮らしていました。



ヨーロッパから白人が入植してきて、この地に最初の製材所を作り、開拓者たちに材木を提供し始めたのは、日本の幕末にあたる1860年頃。ノースバンクーバーの海岸線にも家が立ち並び始め、1887年には大陸横断鉄道が開通し、バンクーバー港が一気に活気づきました。

1889年、スコットランド出身の土木技師ジョージ・マッケイは、ノースバンクーバーの土地2400ヘクタールを国から買い受け、キャピラノ族の若者ふたりの手を借りて、キャピラノ渓谷に杉板と麻縄で高さ70m、長さ137mの最初の橋をかけました。歩行者用としては今も世界最長です。



1892年に裕福な投機家ブルーノ・ステルツァーがキャピラノ渓谷周辺の土地を買い上げた頃には、バンクーバーの人々がバラード湾を渡って橋を見に来るようになっていました。1903年に橋はスチールワイヤで架け替えられ、ひとり10セントの入場料を取るように。キャピラノ吊り橋は、バンクーバー最古の観光名所なのです。



1910年には、英国の実業家エドワード・マホンが渓谷を譲り受け、橋のたもとにティーハウスを建て、ヨーロッパや東洋から取り寄せた花木を植えて庭園を造りました。1914年に橋は再びスチールワイヤで補強されています。

1935年、若き森林管理官のアーチボルト・マケクランが所有者となり、キャピラノ族の芸術家にトーテムポールを彫ってもらいました。今でも個人所有のトーテムポールとしては最大のコレクションを誇っています。



1953年、橋を手に入れた実業家ダグラス・ミッチェルは、観光地として積極的に宣伝を開始。1956年にはさらに太いスチールワイヤで橋を架け替え、13トンのコンクリートで両端を固めました。一度に1300人以上が渡っても落ちないこの頑強な4番目の橋が今のキャピラノ吊り橋です。



現在の所有者である娘のナンシーは、2004年、橋の西側にツリートップ・アドベンチャーを造りました。樹齢1000年以上の森の中を高さ30mに設置した7つの吊り橋でめぐるこの森林ウォークは橋以上に楽しいかも。





2006年冬の大嵐の時には、高さ91mの樹齢300年の松が折れて橋に倒れ掛かりました。橋自体は46トンの重さにも耐えましたが、他の設備が被害に遭ったため、キャピラノ吊り橋公園の開設以来初めて3ヶ月間も休園。その間に建物はすべて塗り替えられ、橋も114トンのコンクリートでさらに補強されました。



2011年にはナンシーの息子ジョンが崖っぷちの散策路クリフウォークを増設。高さ90m、長さ213mの細い遊歩道が花崗岩の岩肌に鋼鉄の梁で留められています。幅50cmの通路のところどころが強化ガラスになっているので、谷底が透けて見えてスリル満点!







オーナーが自分で商品を買い付けているギフトショップは品揃えがよく、園内のカフェや正面入口の向かいにあるブリッジハウス・レストランのメニューもなかなか充実。







BC州在住であれば、一回の入場料で年間パスがもらえます。しかもギフトショップやカフェの支払いが10%引きになります!



バンクーバーのダウンタウンから市バスでも行けるところにありますが、短時間に迷わず行きたいなら、現地発の日本語ツアーが安心楽々でお便利です♪

半日バンクーバー市内観光&キャピラノ吊り橋
ゴンドラと吊橋が楽しい♪ ノースバンクーバー半日観光